ましゅうの工作室

ぶどう色な客車の製作記とか

日車型客車を作る(1)

早くも11月となり、今年も残すところ2ヶ月。

今年は引っ越しで1/3は工作できなかったとはいえ、流石に1両も完成させないのはいかがなものか…。という事で、積みの山からそこまで手のかからないものをピックアップして、ツイッターのアンケートに諮ってみた。

A8、B6の蒸機2種と車掌車ヨ2000、そして表題の日車型客車の4車で競り合った結果、後半に猛烈な追い上げを見せた日車型客車が1位を獲得した。

そんなこんなで決定した今回の題材、今年のうちに完成させることが第一目標なので、余り凝った事はせず、要所に手を入れて行こうとさっさとサフを塗って側と妻を組んでしまった。あまりにもあっさり進めすぎて、写真を撮り忘れるほどである。

3Dプリント品の屋根はそのままだとプリント時の歪みが残っているので、熱湯に漬けて軟らかくして矯正してある。ついでにモニタ部分も真鍮板から作り直して剛性をもたせた。

屋根表面は積層跡を目立たなくする意味合いもあって、500番のサフを吹いてザラザラに。

外妻は緩急車にするかしないかで2種類選べるが、ちょっと作り甲斐のある緩急車を選択した。手ブレーキのテコ周りは、ここがディテールの盛りどころということで、キット付属のレーザカット切り抜きではなく自作してみた。

まずは明治村の保存車や先日訪問した若柳のワフを参考にCADで作図。

テコ等は板材の切り出しで済むものの、端バリについているブレーキハンドルの軸受けはそうもいかないので、まずはt0.4の洋白板からアングル材を作製。ちょっとした部品だけれど、後々バラけないよう、折り曲げの溝には銀ろうを流しておいた。

こうして作ったアングルから軸受けを削り出して軸受けは完成。

展開図を書かずに一旦アングルにしているのは、折り曲げ位置基準で削り出すことで折り曲げ加工の寸法安定性の悪さを回避するためである。

積層痕の気になるブレーキハンドルカバーもプラ材から作り直して、妻面はこんな表情になった。

装置がバッファの穴と被ってしまったが、自連化後に手ブレーキを増設して緩急車化したという事にしておこう。

床下はブレーキシリンダが無いので、素組みでもほぼフルディテールな感じになるものの、緩急車という事で手ブレーキからつながるロッドを追加してみた。

もっとも、上下分割の都合もあってカプラー周りを簡素化しているので、前述の手ブレーキ周りとは繋がってはいない。

その他箱絵を見ていて追加したくなった根太支えと解放テコを追加したほか、カプラポケットは、GMナックルをM0.6のねじで固定に変更してある。キット指定の2軸貨車用はゴツすぎて、木造客車の軽快感を損なってしまう。

そんなこんなでアンケートから3週間足らずで塗装前完成まで組み上がった。トルペードベンチレータは昨年ナハフ14100を作った時の余り物である。

ここまでできると7割がた完成した気分になるけれど、このキット、部品構成上それなりにマスキングには気を遣う必要がありそうで、山場はまだここからかもしれない。