ましゅうの工作室

ぶどう色な客車の製作記とか

山陰への旅(3)

温泉津を出発し向かったのは出雲大社。ベタな観光地ではあるけれど、なんだかんだ訪れたことが無かったのと、近くを走る一畑電車にも乗ったことが無かったのでこの機会にと行ってみることにした。

出雲市駅で一畑電車に乗り換えたのは京王の中古車。オリジナルの塗装に塗り替えられているほか、灯火類にも手が加えられた姿であるが、かえって地方私鉄らしく好ましい。

川跡で乗り換え出雲大社前に到着。

出雲大社前の駅舎はノーマークだったのだが、改札を出ていきなりのアーチ屋根とステンドグラスに圧倒される

一大観光地の玄関口とあって力を入れて建てられたのであろう。教会を連想させるステンドグラスは(宗教は違えど)信仰の場の玄関口に相応しいかもしれない。

外観もちょっとかつての野辺山駅を思わせるような、昭和初期らしいシンプルな線ではあるが、モザイク模様のような瓦葺が良くマッチしている。

ここまで素晴らしい駅舎が見られたならもう十分かなと思ったものの、折角来たし、大社駅前との出会いも出雲大社のご利益かもしれないので、予定通り出雲大社へ。

本殿を垣間見て、木造建築でここまで大きいものが作れるんだなぁ…と思いつつ参拝。

国鉄大社線の大社駅へ行こうかと思ったものの、どうやら改修工事で休業中。そこで予定を繰り上げ、一畑電車出雲大社駅に保存されているデハニ52を見に行くことにした。

シングルルーフながら車内はダブルルーフっぽく仕上げられているのがこの時代の電車らしい。

ひとしきり見終わったところで電車の時間になったので、松江へ。

一畑電車の駅からJRの駅までは2㎞ほどあるが、バスには乗らず、散策がてら歩いてみた。

松江駅出雲そばをすすったあとは、普通列車で米子へ。

米子に来た目的の一つは0,1番ホームの上屋を支える古レールの柱。ただのレールではなく、双頭レールを用いているのが特徴である。

断面が上下で同じであるため、底面で合わせる通常の古レール利用の柱と違い、側面同士で組み合わされている。

米子駅の改札を出て歩くこと10分ほど、次の目的地の公園へ。ここには明治20年製の木造客車が残されている。

改修こそされているものの、英国製の客車が残っているだけで貴重な存在である。

軸箱守が部位で違っており、開き止めが下に湾曲した形状のものと、直線状のものがあったが、前者はどういう意図の形状だろうか。

付近には趣深い近代建築も多く、謎解きがてら涼しい時期に再訪したいものである。