ましゅうの工作室

ぶどう色な客車の製作記とか

オハ35を作る(5)

そろそろ床下に入りたいところだけれど、台枠は(3)で製作した部品と一緒にロスト屋さんに出した部品が仕上がるのを待ってからにしたい所もあるので、先に床下機器を進めようと思う。

今回作るのは下写真の電暖トランスの右隣にぶら下がっている発電機吊。オハ35 2001の物なので、台枠形式が違うが、構造的にはほぼ同じものである。

車軸発電機が付くとこんな感じ。こちらはオハフ33 2424の物

床下機器は大方ロスト部品になったものの、発電機吊は板金組立の構成故に鋳造には不向きで、t0.1の洋白板からの切り出しで制作した。

さて素材から部品を作る際に必須な、金属板へのケガキ方法に関して、某氏から質問を受けた。あまり他の人がやっていない方法なので、これを機にちょっと詳しく書いてみようと思う。

複雑な形状の部品の場合、ノギスで寸法を当たってケガいていたのでは手間がかかりすぎる。そこで型紙を使ってケガキを行うのだが、強固に貼り付けできた方が、線がズレにくい。そこで型紙の貼り付けにはサラサラ系の瞬間接着剤を用いている。

型紙そのままでは端面のヤスリがけ時に紙が荒れてケガキ線が見辛くなるので、型紙の上からカッターナイフ等でなぞって洋白板に形を写し取る。下の写真はカッターナイフでケガキ線を入れた後の状態。このようにケガキ線を入れていく間に接着が剥れることもあるので、ケガキ線を入れる順番にも配慮がいる。

さて、型紙が残っているとケガキ線を見るのに邪魔なので、写し取れたら型紙は除去してしまう。金属板ごとはんだごてで加熱するか、ライターで炙ってしまえば瞬間接着剤が剥れてケガキ線だけが材料に残る。

この工程が肝と言えるのだが、当然火気を扱うので火災には注意が必要なのと、煙が目に入るとバルス直後のムスカ大佐になるので、こちらも気を付けなければならない。

ケガキ線に沿って糸鋸で切り出した部品を、アルモデルのアングルやドリルレースで作ったハンドルを組み合わせてできたものがこちら。

型紙にも一部描き込まれているが、複雑な形状でもケガキが容易なので、エッチングキットのような形状の部品を切り出すことができ、比較的容易に位置決めが可能となる。

今回は車軸発電機が無い電灯子車として作るつもりなので、アングルの長さ調整は残っているものの、これでほぼ完成となる。